100点満点からの減点法で評価
【ストーリー】
良い点
心霊スポットのような廃墟といった不気味な舞台に、見るからにグロテスクかつ嫌悪感を抱かせるような異形のクリーチャーが徘徊しているという、ホラーテイスト満載の世界観である。
また、前作で好評だった、各チャプターの冒頭に挿入される海外ドラマのような演出は今作にも存在し、加えてチャプタークリア後に次のチャプターの予告も挿入されている。
なかなか続きが気になって止め時が分からない内容であった。
そのため、バイオ5などに比べて役割分担がはっきりしており、それぞれの能力を使い分けながら進めていくというゲームシステムが非常に好感触であった。
また、最近のバイオでは見られなくなった謎解き要素が今作には存在し、2人のキャラをどう使うか、頭を使うポイントもある。
鬼畜難易度のNo Escapeに加え、時間制限付きのタイムリミットモードや、敵が見えないインビジブルモードなどが存在。
もちろんクリアすれば無限ロケットランチャーなどの特典も獲得できる。
悪い点
また、落ちているアイテムと手持ちアイテムを交換することも不可能。
手持ちがいっぱいの時にアイテムを交換するには、まず自分が1つアイテムを床に置き、できた空きにパートナーがアイテムを渡してから、床に置いたアイテムを拾うという行程を踏む必要があり、面倒。
前作ではボタンひとつで投げることができたが、今作では投擲武器によってボタンが違うため、使いたいものとは違う投擲武器を間違えて投げてしまうことがよくある。
●障害物の当たり判定
通路に置かれている机や棚などの当たり判定が曖昧で、そういった地形に引っかかって思うように進めないことが多々あった。
また、パートナーキャラが地形に引っかかった状態で足踏みしてしまい、プレイヤーキャラを追いかけて来れないことがよくある点も気になる。
●飛び降りアクションのやり辛さ
前作では飛び降りられる場所の淵に近付いてボタン入力で簡単に飛び降りられたが、今作では飛び降りたい方向に向かってスティックを倒す必要がある。
この時のスティックの倒し加減の基準が非常に曖昧で、飛び降りたくないのに落ちてしまうことや、早く飛び降りて欲しいのになかなか降りてくれないことが多く、イライラした。
また、銃を構えた時に、たまに照準が動かせなくなるバグが存在する。
銃を構え直せば治るものの、すぐにでもアップデート等で修正してもらいたいところ。
総評:70点
簡潔に述べさせていただくと、バイオ0とバイオ2の良いところをミックスしてTPS要素を少し盛り込んだような内容であった。また、前作のテラグリジアや雪山のような中途半端にTPS要素の強いステージがストーリーの合間に挿入されることはないため、終始ホラーテイスト満載の世界観を味わうことができる。
初期の頃のバイオが好きな方には特にオススメできる内容だと思った。
【レイドモード】
良い点
今作ではどの特殊能力を身に付けるか選べる上に、他のキャラから継承することもできるため、カスタマイズの幅が広い。
悪い点
例えば以下
●レベルがキャラクター別
前作ではレベルは全てのキャラクターで共通だったが、今作ではレベルがキャラクター別になっている。
当然ながら、ゲームを進める上では自分にとって使いやすいキャラを集中的に育てた方が効率が良いので、結果的にひとりのキャラしか使わないことが多く、折角のキャラの多さを活かせていない。
●何をするにもゴールドが必要
ゴールドとはゲーム中のお金のこと。
今作ではストアでの買い物だけでなく、ステージを攻略して手に入れた武器の鑑定や、カスタムパーツの取り外し、さらには高難度のステージへ挑む際にも必要になり、頻繁に資金稼ぎを強いられる。
●武器カスタマイズの自由性の低さ
ストーリーモードのように自由に武器にパーツを付け替えできない。
一度装着したパーツを外す場合、ゴールドを使って武器を壊すかパーツを壊すかを選択する必要がある。
そのため、強力なパーツを手に入れても、前作のように気軽に使用感を確かめながら試行錯誤するのが困難になった。
当然エイミングの邪魔になり、プレイに支障を来たす。
あろうことかステージの多くがバイオ6の使い回しであり、BGMもバイオ6のマーセナリーズのもの。
挙句の果てにはスキャグデッドやハンターなどの、今作のストーリーに登場すらしない敵が出てくる。
何を考えてゲームを作ったのか甚だ疑問。
手抜き感が否めない。
総評:25点
前作のレイドモードがかなり長く楽しめただけに今作にも期待していたのだが、このような出来になってしまっていて非常に残念であった。スキル等のキャラカスタマイズの幅広さをはじめ、今作のレイドには評価できる点も確かにあったのだが、それでもこの評価になったのは、問題点がそれらを凌駕しているからに他ならない。
とりわけ、前作からの妙な改悪と手抜き感が目に余った。
一応やり込める内容になってはいるが、前述の通り、必要以上の作業感の影響で、やり込み要素がありながら、やり込みたいとは思えない内容だと私は思った。
レイドモードに期待している方は特に注意していただきたい。